「個人出版(自費出版)実践マニュアル〈2007年版〉 高石 左京(著)」

2007年05月14日

個人出版(自費出版)実践マニュアル〈2007年版〉 高石 左京(著)

個人出版(自費出版)実践マニュアル〈2007年版〉 高石 左京(著)


インターネットの世界で『両国の隠居』として知られる著者は、
出版業界においても数社の社長を務めるなど業界の知恵袋として知る人ぞ知る存
在です。

数々のベストセラーを生み出す一方で中小出版社の経営者たちからの経営相談に
乗り、出版社の再建や創業などを数多く手掛けてきました。

今、「共同出版」業者の儲け主義一辺倒のやり方に真っ向から立ち向かい、出版
とは何か、個人が本を手掛けることの意味と方法を提案しています。

個人で本を作りたい人たちだけでなく、これからの出版のあり方を考え実践して
いくためのバイブルとして、出版業界関係者にも読んで頂きたい一冊の本です。


抜粋
第1章 個人出版って何?

■『共同出版』は著者の勘違いを狙った命名
「共同というからには出版社側も応分の負担をしてくれるのだろう」。わざとそ
のように著者が勘違いするように付けられた名称です。その実は今までの自費出
版となんら変わりはありません。すべての経費は著者負担、客を集めるための膨
大な宣伝経費も会社の利益も乗せています。共同出版という美名のもとで本を出
したい人たちの勘違いを誘う錯誤商法に疑問を持つ出版人は私だけではありませ
ん。

■「本屋さんに並べます」に惑わされないでください
 別に特別なことではありません。売れそうな本なら当然です。出版業界の閉鎖
性と出版流通システムの複雑さを利用した新たな商売に過ぎません。それなり
の知識は必要ですが、それはJPS出版局にご相談ください。ほかにも協力してく
れる良心的な出版社はいくらでもあります。原稿内容と水準にもよりますが、紀
伊国屋などの本屋さん、アマゾンなどネット書店での販売が出来ます。

■大きく宣伝する『出版社』ほど危ない
 その膨大な宣伝経費は著者である、あなたからの売上に依存しています。某大
手『共同出版業者』の宣伝広告費たるや、年間売上の50%近くになっています。
あなたが支払った製作代金の半分が、本を作りたい人を集め、お金を出させるた
めの経費に使われています。顧客満足度が低く、次々と新たな客を引き込まない
と事業が成り立たないのが『共同出版業者』の体質です。首都圏を中心に出版社
は約3,000社もあります。また私たちのJPS出版局のように、個人出版をしたい人
たちへの支援・協力を目的とした会社も登場しつつあります。宣伝広告に惑わさ
れず、自分の本に相応しい出版社を選んでください。

■年間1万人近い『共同出版業者』の客
 被害者意識のない方が多いのですが、多くの方が二度と本を作りたくないと思
うようです。著者を育て、さらに素晴らしい本を世に送り出すべき立場の出版社
が著者を食い物にするようでは本の世界に未来はありません。著者として巻き込
まれた人たち以上に出版業界への影響は計り知れません。夢を育むための処女出
版を夢の終焉に終らせるのでなく未来への一歩としたいものです。

■本屋さんに並べるだけでは売れない
 本屋さんに並べれば売れるだろうと錯覚させるのも共同出版業者の手口で
す。知名度のある著者の本さえ売れない時代です。商業出版以上に一つひとつ
の内容を吟味して、知恵を出し合いながら一冊の本を作り上げることが求められ
ます。内容がどれほど良くても無名の著者の本をただ漫然と本屋さんに並べるだ
けで売れるわけがありません。新聞広告の効果もほとんどありません。商業出
版以上に売るための努力と、それぞれの本に合わせたキメ細かな販売計画
が必要です。

■その製作費は妥当ですか
 納得のいく見積書が提示されているでしょうか? 内訳はどのようになってい
ますか? 見積書と契約書の内容吟味が必要です。著作権は確保されています
か? 出版権はどのような扱いになっているのでしょう? 出来上がった本は製
作費を払ったのが著者本人ですから当然著者のあなたの所有ですね? 著者が出
版業界に精通していないことを利用した悪質な業者が暗躍しています。新聞に大
きく広告を載せているところほど危ないのです。

■見積り明細を提示できない共同出版業者が多過ぎる
 著者に経験や知識がないのに便乗して、製作費一式○○円と書かれた見積書が
ほとんどです。それさえも提示しない共同出版業者もあります。100万円を越え
るような買い物で見積りや請求書で明細を提示出来ないことそのものが、ごまか
しの産物です。製作費の見積りを取り、他社と比較検討することから始めて
も遅くはないと思います。疑問点をすべてクリアしてから契約しても遅くはあり
ません。見積りを出せない業者は敬遠した方いいようです。

■最大の問題は出来上がった本の所有権
 多くの共同出版業者の最大の問題点は出来上がった本の所有権です。製作費の
全額どころか利益分まで負担させられて出来上がった出版物です。その所有権が
ちゃっかりと業者側に移るのが多くの共同出版業者の手口です。最初に何冊か渡
されて、追加が必要になったら買わざるを得ない。自分で費用を負担して作った
はずの品物を、お金を出して引き取るなんて馬鹿げています。製作した本の所有
権が著者にあることを契約書に明示すべきではないでしょうか。

■印税という言葉のごまかし
 本来は著作権使用料として支払われるのが印税です。著者本人の所有物である
はずの本の売上収入なのに、印税という表現を使うところに次のごまかしがあり
ます。著作権、所有権、出版権の三つについて、再度契約書を見直してくださ
い。出版権については書店ルートで販売上の制約が一部あるのはやむを得ません
が、著者の権利がどこまで及ぶのか確認しておくことが必要です。

《JPS出版局の場合は》
■製作見積りと請求書
 最初に製作費の概算見積り書を提示します。何にいくらの経費がかかるのかを
明示しています。それもオフィシャルホームページや印刷物に基準表として掲載
してオープンにしています。著者に費用を負担して頂くのですから、それが当
然だと思います。先ずは最初に見積書です。その内容が双方で了解出来て初めて
契約書です。そして契約内容に基づいて請求書を受け取り、その上で初めて手
付金の支払いです。

■本の所有権は
 出来上がった本の所有権は当然、著者に帰属します。書店ルートなどで売る本
は、著者からJPS出版局が預かっていると考えています(出版流通ルートにおい
ては、一定の期間はJPS出版局が独占的に販売を請け負いますが、著者個人の販
売に制約を設けるものではありません)。書店流通上の必要経費は実費で負担し
て頂きますが売上は著者の収益です。預かり在庫の本も著者の方から連絡があれ
ばすぐに配送しています。

■本の売上は
 紀伊国屋などの本屋さん、アマゾンなどのネット書店には発売元出版社と出版
取次を経由して流れます。その売上は著者に帰属すると考えています。出版取次
や書店さんのマージン及び諸経費等は便宜上、売上算定方法を簡素化して販売経
費を控除の上、著者にお支払いします(JPS出版局の場合、著者の方への売上金
支払いは定価の57%です。ただし入出荷経費は著者負担となります)。

■権利関係は
 契約書に明記しておくことが大切です。著者とJPS出版局の間で出版製作受託
契約書、販売受託契約書を交わします。本の所有権と著作権は著者にあることを
明記します。出版権は書店ルート販売上の一定の制約を付記させて頂きますが、
基本的には著者にあることを明記して契約します。

■発行者は、あなたです
 私たちは『共同出版』というあいまいな言葉を使わず『個人出版』と呼んでい
ます。出版社に代わって著者が発行者になるだけの話です。当然、その本の
著者が主たる権利者です。著者個人を権利者・発行者として、出来上がった本を
世に問うのです。その本の製作や販売を請負い、お手伝いをさせて頂くのがJPS
出版局の役割だと考えています。とはいえ作る商品は著者と編集者の共同創作物
です。共に知恵を出し合い、工夫を凝らした本作りが求められます。

《個人出版と商業出版の違い》
■『企画出版』は共同出版業者が作った言葉
 共同出版業者は『企画出版』という言葉を造語しました。『共同出版』と対
比して自社が製作費をすべて負担する場合の表現です。元々企画を精査して練り
込まない出版社なんて存在しません。『企画出版』という言葉そのものが共同出
版業者の一種の客寄せパンダです。懸賞募集や企画出版募集と銘打って客を集め
るための手段にしか過ぎません。「いい線までいったのですが、残念ながら選考
から外れました」といった手紙が飛び交っています。「企画出版からは洩れたの
ですが、ぜひ本にしたい内容です」と続きます。『企画出版』で釣り『共同出
版』へ引き込むための手段にしか過ぎません。

■出版社は本来『商業出版』
 作った本を売って利益を得る。本来の出版社のほとんどが自分たちで企画を考
え、原稿を依頼して本を作ってきました。出来上がった本の売上と雑誌などの広
告収入で成り立っていたのが出版社でした。自費出版と商業出版、この二つ
が従来から業界で使われていた用語です。本が売れなくなり、読者よりも著者か
らお金を吸い上げようとする出版社が増えてきたのは出版業界の悲しい現状で
す。身近に配る場合を除くと、本は売らない限り誰にも読んでもらえません。

■いま、改めて個人出版を考える
 時代の変遷とともに、本を出したい人が増えてきました。この自費出版ブーム
は日本だけではありません。10数年前から世界的なブームになっています。さら
にまた自費出版から数々の名作が生まれてきました。私家本と呼ばれた自費出版
から個人が発行者となる個人出版への大きな流れです。それでも買ってもらえる
本、読んでもらえる本を追求することなしに本作りは語れません。

■個人出版だからこそ可能になる独創的な企画
 最初から大量部数を想定して万人受けを狙うと一般的な本になってしまいま
す。本屋さんの店頭に同じような本ばかりが並ぶのも、過去の実績に縛られ、個
性豊かな本が少なくなったことの反映です。個人出版だからこそ、著者の人間味
も活かし、独創的で個性的な本作りが可能になります。一人でも多くの読者に読
んでもらう努力をしながらも、売れることのみを追求するのではなく、残してお
きたい本、売れる本よりも売りたい本を追い求めることが最大のテーマです。

■世に問うことが個人出版の課題
 まだ見ぬ人にも読んでもらいたい。個人出版・自費出版ブームはインターネッ
トの普及と連動しています。個人が情報発信元となり、さらに双方向の通信が可
能になったことも個人出版・自費出版ブームを呼び寄せました。ブログの登場に
よって確実なものへと定着してきた観があります。これからの本作りの大切な
キーワードが『インターネットと個人出版』です。本作りとインターネットの関
係については、第4章『個人出版とインターネット徹底活用法』にまとめます。

■読者の存在抜きに個人出版は考えられない
 読んでもらいたい、見てもらいたいからこそホームページやブログ(日記形式
のホームページ)を作ります。個人出版もまた、読んでもらいたいからこそ本に
します。ただ本にして、積み上げておくだけではないはずです。本を作ることと
読んでもらうことが一体となってこそ個人出版の意味があります。その本の原稿
を読む編集者は最初の読者です。読者の目線から著者に提言して、より興味を
持ってもらえる本、読みやすい本を作り上げることが編集者の責任です。

■個人出版本の普及を考える
 まだ会ったことのない人にも読んでもらいたい、だからこそ本屋さんに並べた
いと皆さん考えるようです。また、本は本屋さんで売るものと誰もが思っている
ようです。そのこと自体は間違っていませんが、本屋さんに並べただけで売れる
ほど世の中甘くありません。知名度のある著者の本でさえ本屋さんでは売れない
時代です。既存の販売方法にプラスアルファを考えることが個人出版には欠かせ
ません。

■一人でも多くの人に読んでもらうために
 個人出版だからこそ、知名度のない分さまざまな手立てを考えて、一冊でも多
くの人に届ける努力が必要です。もちろん本屋さんで扱ってもらうことも必要で
す。さらに個人出版ではアマゾンなどネット書店での取扱いが大きな意味を持ち
ます。個人で直接売る手立ても必要です。ありとあらゆる機会と販路を確保する
ことなしに、個人出版本を普及させることは出来ません。

■ネットでの紹介方法や各種イベント企画
 本が出来てからでは遅いのです。本作りと平行して、ブログなどでのさまざま
な紹介方法やイベント企画を考えてください。待っているだけでは誰も読んでく
れません。詳しくは後の『個人出版をした本の売り方(21頁)』に紹介します
が、個別の本の出版記念パーティなどだけでなく、JPS出版局としてのイベント
も準備しています。本を作りたい人たちが相互に協力し合って、お互いの本の普
及に努めるシステム作りも進めています。

《個人出版本の企画を考える》
■著者の個性の表現こそが個人出版の醍醐味
「誰もが一冊の本を書ける。自分の人生という本を」。昔からヨーロッパでは、
このように言われているそうです。確かにそのとおりですが、この言葉のままの
『自分史』でいいのかどうか。読んでみたい自伝もあります。でも、共感と
感動と知恵を授かる自伝でないと意味がありません。何も自伝にこだわる必要も
ありません。テーマは何であれ、その人の感性や個性がほうふつと浮かんでくる
本はいかがでしょう。あなたの個性を一冊の本で表現してみませんか。

■科学書でさえも著者の個性の表現です
 エッセイ、小説、絵本、詩集、趣味の本、ビジネス書、さまざまな研究書など
ジャンルは問いません。十人十色です。書き手によってテーマの切り口も異なっ
てきます。小説であれ実用書であれ、それこそ科学書でさえも著者の個性の表現
です。自分の人生そのものが自然と盛り込まれていくのが本だと思います。だか
ら本作りの仕事は人との出会いそのものです。

■個人出版は自分探しの旅
 あなたの感性のアンテナに引っかかったものを原稿にしてみませんか。自分の
取り組むテーマを探してみませんか。100人いれば100個、まだ磨いていない宝
石が転がっているように思います。その一つのキーワードは自分の趣味や住んで
いる地域と環境です。今や何処へ行っても全国チェーンのコンビニやファースト
フードの店が氾濫しています。グローバル化が進み地域格差が少なくなっている
現在、地域性の見直しもテーマです。より自分らしい本を作ることが個人出版の
課題です。

■あなたにしか見つけられないものがあるはずです
 だからこそ地域の文化や環境の違いは大切なテーマです。あなたの感性で見つ
け出すことの出来る秘宝が隠れていませんか。今まで誰も振り返らなかった
些細で小さな出来事です。あなたの見つけた小さな花にスポットライトをあてて
みてはいかがでしょう。身近な人たちに語りかけるように言葉を紡いでいけばい
いのです。あなたの「言の葉」が織りなす調べを、ぜひ聴いてみたいですね。

■日本全国、多種多様
「東京と大阪じゃ、球根を埋める深さが違うんだよ」。『趣味の園芸』の創刊
編集長を務めた田村さんという人がいます。日本放送出版協会に長く勤めていま
した。『今日の健康』や『サラリーマンライフ』の創刊編集長でもあります。
「NHKって全国だろ。そこに無理があったんだ」。気候も違えば土壌も違う。
「思わぬ苦労をしたものだ」と言っていました。住んでいる地域によって発見で
きる何か。家族構成や仕事の分野が違うからこそ見つけられる何かがあるのでは
ないでしょうか。

■視点を変えれば出てくる企画
 もう20年以上前のことです。スキー雑誌を発行する出版社に提案しました。
「スキー場ガイドを地域別にしましょう」「いえ、スキー場の地域別ではないで
すよ。本を売る場所の地域別です」「交通の便など、全国一律じゃおかしいです
よ」。その出版社の社長さんは、私と編集長に迫られてしぶしぶ了解しました。
さて、その年の『スキー場ガイド』です。首都圏版と関西版が出ました。2冊合
わせると前年の3倍の売上になりました。当然だと思います。常に読者の立
場を念頭に置いていれば当然の結果です。

■読者への優しさも求められている
 地域ごとに多彩なミニコミ誌やフリーペーパーが出ています。エッと思うよう
な斬新なものもあります。惜しいことには、書籍のほうでは未だに東京が中心で
あることです。郷土史など、ちょっと時代遅れな装丁が目立ちます。もっともっ
とガイドブックや趣味の本など"ご当地もの"の本が欲しい。それもオシャレな本
が出来ないものだろうかと思うことの多い昨今です。いずれにしても読者への思
いやり、おもてなしの気持ちを抜きには読んでもらえる本は出来ません。



自費出版
posted by たまん at 18:44| Comment(0) | TrackBack(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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